「北朝鮮を知りすぎた医者」、近況を語る
2005年6月13日
──アメリカのラムズフェルド国防長官が、人権活動をつづけているあるドイツ人医師、つまりあなたのことですが、その言葉を借りて「北朝鮮は『地上の地獄』」と表現したと報じられました。ラムズフェルト長官とも会われたのですか。
ええ。映画の一シーンのようでしたよ。『フォレスト・ガンプ』で主人公がケネディ大統領に会う場面があったでしょう。そんな気分を味わいました。メイフラワー・ホテルで集まりがあって、ハドソン研究所のマイケル・ホロビッツと一緒にいたとき,ラムズフェルド長官を見つけたんです。そこにいた他のジャーナリストが近づくより先に、まず私がという思いで歩み寄って行った。そして握手をし、自己紹介をし、北朝鮮からもらった友好メダルも携えていましたから、北朝鮮の人権問題について話しました。すると彼は、何と私を隣に立っていたキッシンジャーに紹介してくれたんです。この人はドイツ人医師で北朝鮮の人権問題のために戦っているのだと説明してくれた。その後、記者の質疑応答の時間があり、そこで私は一番最初に手を挙げて質問した。ラムズフェルドとチェイニーに対して北朝鮮の人権問題について質問をしたわけです。そのときチェイニーが北朝鮮のことを「地上の地獄」と言った。それはまさに私が以前に『ウォールストリート・ジャーナル』の記事で使った表現でした。
私は『ウォールストリート・ジャーナル』に五回記事を書いていますが、確か「Prison State」というタイトルで書いたものの中で、「北朝鮮は金正日をはじめとした特権階級には楽園でも一般の人々にとっては生き地獄だ」と記した。それ以来ワシントンの政治家によってこの表現が使われているようですね。
テキサスではロックコンサートに招かれて、十五万人の若者の前でスピーチをしました。そこにはブッシュの義理のお母さんの親友も来ていました。義理のお母さんはシニアホームにいて、御自身はコンサートに来られなかった。コンサートのあと義理のお母さんに招かれました。部屋にはローラ・ブッシュや孫たちなど家族の写真が飾られていて。まるで映画を見ているようだった。世界の中心、大統領の家族のそばに座っている自分が信じられないような……。もし自分が北のエージェントだったらなんて想像したりして。
──四冊目の本にはどのようなことを書かれるのですか。
韓国の政策は金正日の政策と似ています。それを私は自らの体験から証明できる。韓国で私がとのように扱われたか。どのように拘留され、罰せられたかについて書くつもりです。それからインドネシア大津波の救援に行ったときのこと。そこでの自然災害を北朝鮮の人的災害と対比させたい。最近の動きについても触れるつもりです。核問題、六カ国協議、地政学上の問題。それから個人的なことも。なぜ私がこのように北朝鮮に執着するようになったかについて。そして自伝も少々。ワシントンで出会った人々、チェイニー、ラムズフェルド、キッシンジャー、そしてブッシュの義理のお母さんのこと。それからいろいろなプロジェクトについても書きます。たとえば「バルーン・プロジェクト」。アジア・スポーツ大会で北朝鮮人に私が殴られている写真も入れるつもりです。
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