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コケ好き、多肉好き注目!「テラリウム」初のつくり方ガイド登場

NYで大人気。ものぐさな人でも、おしゃれに、失敗なくグリーンを楽しめる「テラリウム」とは?

 コケや多肉植物を小さなガラスの容器の中で育てる「テラリウム」。テラリウムは、見た目がおしゃれでかわいいことから、室内インテリアとして今、ニューヨーク・ブルックリンで大人気です。しかも、コケや多肉植物たちが、ガラスの器の中で「小さな生態系」をつくるので、枯らしてしまう心配がほとんどありません。水やりもラクで、園芸初心者の方でも安心して育てられるのも大きな魅力です。これまで観葉植物をいくつも枯らしてしまった人や、ベランダガーデニングをやろうと意気込んでみたけれど、水やりが面倒になって失敗してしまったという、ちょっとものぐさな人にも、かんたんに手入れができるテラリウムは、おすすめなのです。

  また、本書の著者たちがつくるテラリウムの大きな特徴は、植物の上にミニチュアを配して「タイニーワールド=小さな世界」をつくっていることです。本書の後半部分で紹介される著者たちのテラリウム作品集では、実に40近くものさまざまなテーマでつくられた「タイニーワールド」が紹介されています。例えば、コケの上にシマウマやライオンのフィギュアをのせた「野生の楽園」、多肉植物のセダムと自然石の間にギターを持つ男のフィギュアを配した「砂漠のギタリスト」、ヴィンテージのシャネルの香水びんの中にコケと少年のフィギュアを入れた「わんぱく時代」など…実際にテラリウムづくりを始めようとする人をインスパイアする、ユニークでおもしろいアイデアが満載です。

 さらに、テラリウムのもう一つの愉しみ方として、本書では、庭やベランダや駐車場のすみに生えている天然のコケを採取して植え込むことも勧めています。オリジナルのテラリウムをつくるための「コケ探し」の方法や使うツールの紹介もしています。小さな緑の世界を室内に持ち込み、それを大切に育て、愛でる「テラリウム」とは、まさに、「盆栽」「箱庭」「坪庭」を生み出してきた日本人の感性にマッチした新感覚の園芸なのです。

 ぜひ、本書を手に取って、テラリウムの楽しい世界を感じていただければと思います。

(担当/吉田)

ミシェル・インシアラーノ

美術を学び、読書をこよなく愛する、情熱的なブルックリンっ子。16歳から自立して創作の道を探ってきましたが、幼いころから植物に興味を持っていたので、テラリウムにひかれたのも自然のなりゆき。もっとも、ミニチュア世界の造園は、芸術面での素質によるところが大きいでしょう。趣味は、写真(数冊の出版物に名前が載った)、スクラップブック、カードづくり、スチームパンク(ファンタジー的な機械)アートなど。しかし大半の時間は、ケイティといっしょに「ちっちゃな緑の世界」を楽しんでつくることに費やされています。

ケイティ・マスロウ

ブルックリン生まれ。早い時期に故郷を離れ、あこがれの放浪の旅へ。全米をまわり、標語でいうところの「カラフルなコロラド州」と「恋人たちのためのヴァージニア州」に長期滞在。また、大詩人の故アレン・ギンズバーグがかつて教鞭をとっていたニューヨーク市立大学ブルックリン校(ブルックリンカレッジ)で詩を学び、文芸創作の学士号を取得。自作の詩と写真は数冊の雑誌に掲載されましたが、今では親友ミシェルとのミニ造園づくりに大半の時間がさかれています。仕事や遊びに打ち込んでいないときは、鳥にエサをやったり、テラリウムに使えそうなグッズを買いに出かけたり、風変わりな人たちを観察したりして過ごしています。

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