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70代からでも間に合う! ボケ・寝たきりリスクが激減!

20年におよぶ、のべ5000人の高齢者の追跡調査からわかったこと

 「いつまでも元気で、自立した生活を送るにはどうすればいいのか?」 これは本格的な高齢社会に入った今、誰もが抱える切実な課題です。しかし、残念ながら高齢期の健康度には、人によって大きな差が生じます。歳をとっても自立した生活を送れるか、それとも要介護になってしまうのか、その差はどこから生まれるのでしょうか?

 著者の研究によると、高齢期の健康は「栄養状態」と深く関係があることがわかってきました。いったん「低栄養状態」に陥ると、血管の壁がもろくなり、脳卒中など心血管病のリスクが高まり、認知症や寝たきりの進行を促進し、健康寿命が大きく損なわれるというのです。

 本書は栄養面からの老化予防を中心にして、健康長寿の極意をわかりやすくまとめた一冊です。自分の老後に備える上でも、親の老後が心配な方にも非常に役に立つ内容となっています。

寝たきりに最適な「多様食」とは?

 では、実際にどのように食べれば健康寿命を延ばすことができるのでしょうか?
著者は、健康長寿のためのもっとも効果的な食べ方として、さまざまな食品からまんべんなく栄養素をとる、「多様食」を提唱しています。加齢がおよぼす体の問題により、高齢者は若い人と同じように食べても、栄養をうまく体内に吸収できなくなっています。その点、多様食にすれば食品に含まれる多くの栄養素が、消化する際、互いに補完しあうので栄養が体に吸収されやすくなります。その結果、栄養状態がよくなることで、筋肉、骨、内臓、血がしっかりと増え、健康で長生きできる体につながるというわけです。

 うれしいことに、研究の結果からいくつになっても食習慣を変えることで、健康寿命が延ばせることがわかっています。たとえ70代、80代からでも遅くはないのです。ぜひ本書に書かれていることを実践し、楽しく充実した高齢期を過ごしていただければ幸いです。

(担当/吉田)

新開省二(しんかい・しょうじ)

東京都健康長寿医療センター研究所副所長。医師・医学博士。1984年愛媛大学大学院医学研究科博士課程修了。愛媛大学医学部助教授(公衆衛生学)を経て1998年より東京都老人総合研究所(現・東京都健康長寿医療センター研究所)勤務、2015年より現職。この間(1990-91年)カナダ・トロント大学医学部に旧文部省在外研究員として留学。日本老年医学会、日本老年社会科学会、日本体力医学会、日本衛生学会の各評議員や厚生労働省「健康日本21(第二次)策定専門委員会」委員、長寿科学総合研究事業、JST-RISTEX研究開発事業などの主任研究者を歴任。日本公衆衛生学会奨励賞(2006年)、都知事賞(2007年、研究、発明・発見部門)など受賞。

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