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映画『ギミー・ヘブン』は、この本との出会いから生まれた。
 ――『ギミー・ヘブン』監督 松浦徹
共感覚者を描いた話題の映画、06年1月中旬より公開中!
音を聞くと色が見える、
食べ物を味わうと指先に形を感じる――。
「共感覚者」=五感が入り交じる世界に生きる者たち。
彼らは常人には理解されない世界に生きている。
その感覚は誰とも共有できない。
孤独を抱え、ひっそりと、生きている。
その数、25,000人に1人。

本書に描かれた共感覚者の生のあり方に刺激を受け、
ひとつの映画が作られた。

リチャード・E・シトーウィック 著
山下篤子 訳
ISBN:978-4-7942-1127-9
本体1,900円

出演 江口洋介/安藤政信/⇒宮あおい ほか
監督 松浦徹
脚本 坂元裕二
06年1月14日(土曜日)より、渋谷ユーロスペース新館ほか全国で公開中。
詳細は、映画公式サイトをご覧ください。 ギミー・ヘブン http://gimmy-heaven.com/index.html

特別寄稿
世界の感じ方を誰とも共有できない……。
共感覚者の孤独を、この本ではじめて知った。
『ギミー・ヘブン』監督 松浦徹

 共感覚というものを持っていない人々の心の中にも、必ず誰しもが自分だけの小さな世界を持っている。しかし大多数は成長と共に人と接し、社会の中で、個々の小さな世界は常識と言うものにどんどんと飲み込まれていく。

 学校や会社や大衆などの社会は、自分たちとは、全く違う形で、世界を独特に見るような個性的な人間を排除する傾向がある気がする。


 この本を通じて共感覚というものを知った時、僕はあることを思い出した。

 それは、幼い頃に近所の幼馴染の家族とどこかへ一緒に旅行に行った時の事だ。

 眠ろうと布団に入った時、天井の木目の模様が、人の顔に見えたり、動物の姿に見えたりした。それを一緒に寝ている幼馴染に「あれは、虎に見えるね」と言った時、彼に「どこが?どれ?」と聞かれ、「あれだよ。ほら」と必死になってその木目の場所を教えても、最終的に、彼にその木目は虎に見えなかった。

 その時、僕はとても寂しい気分になった。

 その幼馴染とは、野球をする時も、ライダーごっこをする時も、学校でもいつも一緒に遊んでいた。

 どこかで、何もかもを共有できているような気がしていた。

 だから子供心にとてつもなくショックだったのだ。

 当然、映画の参考のためこの本を読み、その中に報告されていた人々の経験や言葉からそんな事を思い出したのだろう。