この二人の話で非常に重要なのは、彼らがひそかに属しているクリミナル・グループのなかにおいて、仲間が犯した《仕事》は、微に入り細をうがち各地にあるアジトで話している、ということである。これはいわば彼らの掟のようなもので、仕事後の必須の行事なのだそうである。
戦利品を仲間で分けるという話はよく耳にするし、さもありなんと思わせるが、仕事の中身を細部まで発表するという行為は、私にとって非常に奇異に思えた。
しかし、この徹底した掟があったからこそ、私は彼らの仕事がどのようなものであったかを知ることができたのだ。……行方不明の最重要容疑者が、いっときであるにせよ一カ所にいた、というのである。私はこの事実に打ちのめされていた。
彼らは《仕事後》のことだけでなく《仕事前》のことについても、各アジトにおいて綿密なる計画と人選が行なわれる、と話した。
「誰が、どのような凶器をもって、どのような手口で、どれくらいの戦利品をもって帰るか、あるときは、仕事場までの経路や逃走路まで打ち合わせする」。キムは、まるで歌でも口ずさむようにそのようなことを証言した。……メーカーが毎日、工場生産品を組み立てるのと同じように、彼らのあいだで凶悪な犯罪が日常的に生み出される、というわけだ。
……そして彼らは《ある事実》を、じつに淡々とその口から放った。それはいうまでもない、クリミナル・グループによる、世田谷一家殺害事件への全面的な関与であった。
――本文より