草思社

書籍詳細

西欧の植民地喪失と日本
―― オランダ領東インドの消滅と日本軍抑留所
日本に謝罪を求めるのは植民地喪失の怨みからではないのか。抑留体験をした著者が、現地人を過酷に支配したオランダ人こそ反省すべきであると批判した問題の書。
ISBN 978-4-7942-0845-3
定価 2,420円(本体2,200円)
判型 四六判
頁数 208頁
初版刊行日 1998年09月10日
原書タイトル HET OOSTINDISCH KAMPSYNDROOM
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ルディ・カウスブルック
オランダの著名な評論家、エッセイスト、コラムニスト。哲学博士。一九二九年、旧蘭領東インド(現インドネシア)生まれ。四二年オランダ軍の降服により、スマトラ島の日本軍民間人抑留所に収容される。四六年オランダ本国に引き揚げる。アムステルダム大学で数学・物理学を専攻。同時に有名な文学運動“五十年代派”に参加。パリに移る(五〇年~九〇年)。五三年、処女短編『南回帰線時代を葬る』を発表。六八年、エッセイ集『パリ一九六八年五月革命について』。七五年、全作品によって、オランダの最高の文学大賞であるP.C.ホーフツ賞を受賞。九五年には『蘭領東印抑留所シンドローム』、さらには自伝的エッセイ『再び生国の土を踏んで』はベストセラーに。その他哲学的エッセイなど多数ある。
近藤紀子
翻訳家。一九四一年山梨県生まれ。六三年、東京外国語大学インドネシア語科卒業。六四年オランダ政府給費生としてライデン大学に留学。オランダ近代文学を専攻する。以来ライデン市に在住、紀子ドゥ・フローメン(De Vroomen)の名前で日本文学の紹介につとめる。翻訳書に大江健三郎『みずから我が涙をぬぐいたまう日』『芽むしり仔撃ち』『万延元年のフットボール』、大岡信『遊星の寝返りの下で』、安部公房『短編集』、オランダ語から日本語への訳書として『西欧の植民地喪失と日本』(草思社刊)、著書として『連句・夏の日』『大江源三郎・文学の世界』などがある。
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