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昭和20年6月、出撃の前夜、特攻隊員の宮川軍曹は鳥浜トメにこう言い残して鹿児島県知覧基地から出撃していった。ところがその夜、トメの家に、本当に一匹のホタルが入ってきたのである。
軍の指定食堂を経営する鳥浜トメは長女の美阿子と次女の礼子とともに、出撃する特攻隊員を温かく迎え、送りだした。隊員たちもトメを実母のように慕った。トメの生き方と特攻隊員たちの最後の様子を、トメの娘礼子がありのままに語った感動の物語。 本書の著者(共著)。 昭和5(1930)年、鹿児島県知覧生まれ。20年2月、県立知覧高等女学校3年進級を前にして、勤労動員で知覧の特攻基地へ。隊員の世話をする。動員解除後は母トメのもとで隊員たちの世話をする。31年赤羽茂一と結婚。二児の母に。45年、新宿三丁目に酒亭‘薩摩おごじょ’を開店、元特攻隊員が全国から礼子を慕って集い、賑わった。平成17年10月16日腎臓ガンのため逝去。 |
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![]() 特攻隊員から「小母ちゃん、小母ちゃん」と実母のように慕われた、本書の主人公、鳥浜トメ(鹿児島県知覧町にて昭和20年、43歳)。
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![]() (上)トメはさつま揚げの行商などをして家計を支える一方、色白で器量よしだったので、着物のモデルや知覧提灯の広告モデルにも抜擢された(大正15年頃)。
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(左)昭和4年、トメは27歳のときに、知覧町の商店街に「富屋食堂」を開く。その温かい雰囲気に特攻隊員が多数、出入りした。
(右)富屋食堂が飛行兵のオアシスになるにつれて、トメの娘たちとも交流が生まれる。後列中央が次女の礼子。
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知覧飛行場の跡地を見つめるトメ。その視線の先には、特攻兵たちが最期に瞼に焼き付けた開聞岳があったにちがいない。
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