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ドラフト研究の第一人者が、有名選手の「入団前の評価」と「プロ入り後の現状」を徹底検証!
毎年、プロ野球の世界には数多くの有望選手が入団してきます。それぞれが「即戦力」であったり、「将来のクリーンナップ候補」であったりと、さまざまな期待を背負ってプロの世界に足を踏み入れるわけですが、彼らのプロ入り時点での評価がかならずしもアテにならないのは、年季の入ったプロ野球ファンなら誰もが知っています。そして、そうであるからこそ、新入団選手の成長曲線をあれこれ想像するのは、プロ野球ファンにとって無上の楽しみでもあるのです。
本書は2000年以降、年度版の『プロ野球 問題だらけの12球団』(小社刊)の中ですべてのドラフト指名選手について歯に衣着せず論評してきた著者が、計103名の有名選手について、それぞれの入団時の評価と現時点での成績を対比し、検証した一冊です。
高校からプロ入りした選手の「大化け」の時期をみごとに予見していた例(巨人・岡本和真など)や、プロ入り前は無名だった選手のプロでの活躍を断言していた例(ソフトバンク・森唯斗、日本ハム・上沢直之など)がある一方、プロ入り後の伸び悩みを予言していて、その通りになってしまった例(日本ハム・斎藤佑樹など)もあります。また、著者の予想とまったく違う成長曲線を描いて大成した選手も当然います。メンタル面での不安定さが目立つ高校時代のダルビッシュ有を見て、著者は「正直にいえば、プロでは成功しないと思っていた」と書いています。
アマチュアの試合を中心に年間約300試合を生観戦し、野球評論に「ドラフト」というカテゴリーを確立した著者が、各選手の何を評価し何を見逃していたのか。また、入団する球団やプロ入りするタイミングによって選手の成長曲線はどう変わってくるのか。本書に収められた各選手の足跡は、人間の「成長可能性」を考えるための格好の材料ともいえるでしょう。
(担当/碇)