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雲の分類は約100種! その全部がわかる本

新・雲のカタログ
――空がわかる全種分類図鑑
村井昭夫・鵜山義晃 文と写真

雲好き・空好きに愛され続けてきたロングセラーが全面リニューアル

 雲をちゃんと理解して、その性質を知るためにはどうすればいいでしょうか。それにはまず、雲の名前を知らなければなりません。名前がわからなければ、それぞれにどんな性質があるかを考えることさえできないからです。雲にはもちろん名前がついていますが、「入道雲」「うろこ雲」「ひつじ雲」などという名前は、いわば俗名で、科学的な分類にしたがった名前ではありません。

 雲は、世界気象機関(WMO)によって科学的に分類されています。大きく分けると10種類、さらに細分化すると約100種類におよぶ名前がついています。空に浮かぶ雲を見て、約100種の分類に当てはめることは、雲を理解する第一歩のハズです。本書のもととなった『雲のカタログ』は、この分類をすべて網羅、写真で示した初めての図鑑として、2011年に刊行。以来、10年余りにわたって、雲好き必携のスタンダード図鑑として愛され続けてきた、ロングセラーです。

 その『雲のカタログ』が準拠するWMOの分類が、2017年、数十年ぶりに改訂されました。本書『新・雲のカタログ』はこの新分類に合わせて改訂された全面リニューアル版。「ロール雲」「飛行機由来巻雲」など多数の新分類項目を加え、その他の写真もほぼすべてをより美しいものに差し替えています。

雲の名前がわかると空で何がおきているかがわかるようになる!

 ところで、雲の名前がわかるようになると、何かいいことがあるのでしょうか? それはたくさんあります!

 たとえば、春や秋の空高く、長い尾を引く「巻雲」は、雲の中で成長した氷晶(氷の粒)が落下すると同時に風に流されることで特徴的な形になります。つまり、雲の尾の部分は本体よりも低い位置にあるのです。さらに、雲の形から、上空の風が高さの違いでどのように違うのかも想像できます。このように雲の立体的な形や、ダイナミックな空気の動きがわかるようになるのです。

 また、雲には成長していく過程にパターンがあるので、そこに現れる雲の名前とパターンを知った上で空を眺めると、今、空で何がおきているのか、これからどんな変化が起こるのかが予測できるようになります。たとえば、「積乱雲」が発達して「かなとこ雲」に発達していったり、その過程で雲頂の上に「頭巾雲」とよばれる帽子のような雲がかかることなどが予測でき、雲が繰り広げる一大スペクタクルをより深く楽しむことができるようになります。

 「あの雲の名前、なんていうの?」という素朴な疑問に答えつつ、広くて深い「空の科学」の世界へと連れて行ってくれる、ほかにはない魅力を持った一冊。リニューアルした本書も、多くの雲好きに愛される本となることを願っています。

(担当/久保田)

著者紹介

村井昭夫(むらい・あきお)
石川県金沢市生まれ。信州大学・ 北見工業大学大学院博士課程卒。雲好き高じて気象予士(No.6926)、雪結晶の研究で博士(工学)に。著書に『雲三昧』(橋本確文堂)、『雲のカタログ』(共著)『雲のかたち立体的観察図鑑』(いずれも 草思社)、『雲の見本帳』(MdN)、『空の図鑑』(学研)、『雲百景』(共著・ 誠文堂新光社)等。雑誌等にも 執筆。石川県立大学客員研究員。日本雪氷学会・ 日本自然科学写真協会(SSP)会員。
鵜山義晃(うやま・よしあき)
三重県伊賀市生まれ。京都大学卒。気象予報士(No.2331)。天文(特に流星)から 雲の世界へ。科学・天文関係の講師、指導歴多数。高々度放電現象の撮影も行っている。著書に『彗星と流星群』(関西天文同好会)、『雲のカタログ』(共著・草思社)、『雲百景』(共著・ 誠文堂新光社)など。2016 年度「空・ 雲の観察を題材にした気象学の普及」で日本気象学会奨励賞。日本気象学会、日本流星研究会会員。
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