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気分はいつまでも「おじさん」、でも身体の内外では確実に老化が進行していた!?

自分がおじいさんになるということ
勢古 浩爾 著

■思いのほか愉しい「老いのリアルな日々」が綴られる

 自分の身体が老いていく不安、老後のお金の不安、老後の孤独の不安…高齢化が進む中、老後に対する不安を数え上げればきりがありません。
 本書は、そうした老後に対する不安を抱えている人たちに向け、実際に74歳という押しも押されもせぬ“おじいさん”になった著者が、自分が老いていくリアルな過程を通して、年寄りになったらなったでそう悪くもなく、思いのほか毎日結構楽しいものだということを伝える一冊です。
 本書の中で著者は、「いまこの歳になって、わたしは『ただ生きているだけで楽しいんだよ』という感覚を、ほんとうに手にいれた」と断言し、「いまでは晴れても雨が降っても楽しい。歩くことも、自転車に乗ることも楽しいのである」と、毎日の瞬間瞬間を「生きている」実感が、そのまま充実感や幸福感につながっていることを教えてくれます。

■老後は自分の「楽しい」ことだけすればいい

 3年前に脳梗塞で倒れ、大好きだったタバコを止め、きちんと薬を飲む日々を送っている著者。病気と付き合いながらも、自分なりに究めた「小さな楽しみ」「小さな幸せ」を多数紹介します。
 「もう多くの人とワイワイガヤガヤやりながら、交流を楽しみたいという欲求がまったくない」と言うだけあって、著者の好きなものは、自転車、散歩、一人旅、DVD映画鑑賞、喫茶店、読書…など、基本的に一人で楽しめるものばかり。
 本書を読めば、老後はもう誰憚ることなく、自分の自由に生きていいんだと、背中を押される気持ちがして、老後不安のモヤモヤが払拭されること間違いありません。
 ぜひ多くの方に手に取っていただければ幸いです。

(担当/吉田)

■目次より

第1章 「生きているだけで楽しい」という老年

「末期の目」から生を見返してみる
息をするだけでこんなにも嬉しい
「生きる元素」としての自然元素
自然元素と人間元素は人間の理想郷
養老孟司のMoreとHere & Now
物欲は人間をしあわせにしない
根本は「自然元素」、その他は全部おまけ
「生きているだけで楽しい」は年寄りにとって盤石の土台

第2章 それでもやはり健康一番、お金は二番

思いどおりの凡庸な人生
求めるのは心の平安
白内障でわかった「白」のすごさ
健康一番、お金は二番とわかってはいるが
歳をとって病気になると、生きること自体が仕事になる
自分の死、人の死

第3章 ワクワク自転車、ウキウキ歩き

自転車は年寄りに最適の乗り物
わたしが自転車に乗る理由
伊藤礼の『大東京ぐるぐる自転車』
新しい自転車に感動した
逆にママチャリに感謝
あわや大惨事
ウォーキングは「8000歩/20分」+自己流で
町の達人にどうしても追いつけない
八十歳の石川文洋の日本縦断歩き旅

第4章 またときめきの奈良へひとり旅

定年退職者のありふれたセンチメンタルジャーニー
母親の故郷の奈良
うましうるわし奈良へのひとり旅
映像作家・保山耕一氏の「時の雫」は最良の癒やしである
沢木耕太郎の『江戸近郊道しるべ』を歩く
荷物は少なく、生活は小さく
ああ、青春の欧州ヒッチハイク旅

第5章 映画と写真と絵画と

半年間、映画を見つづけた
食わず嫌いには理由がある
韓国映画に度肝を抜かれる
カメラ好き? 写真好き?
もうコンパクト・デジカメで十分だ
ソール・ライターの写真
一番好きなワイエスの絵画

第6章 喫茶店で音楽を聴きながら外を見る

好きでなかった「ジャズ」を聴く
わたしの十五パーセントはポピュラー音楽でできている
だんだん世間の流行り事に興味がなくなっていく
コンテンツも容器も品質が低劣
中島みゆきの「ベスト10」をつくる
喫茶店から外を見るのが好きだ

第7章 死ぬまで読書

最高の「心の元素」としての読書
いまや作家も主人公もみんな年寄りばかり
後続作家に期待する
読みたい本が続々出てくる
わたしはわたしに従う
楽しくなければ「しなくて」いいのだ
なんと幸運な人生

著者紹介

勢古浩爾(せこ・こうじ)
1947年大分県生まれ。明治大学政治経済学部卒業。洋書輸入会社に34年間勤務ののち、2006年末に退職。市井の人間が生きていくなかで本当に意味のある言葉、心の芯に響く言葉を思考し、静かに表現しつづけている。1988年、第7回毎日21世紀賞受賞。著書に『定年後のリアル』シリーズ、『結論で読む幸福論』(いずれも草思社)、『最後の吉本隆明』(筑摩書房)、『ウソつきの国』(ミシマ社)、『定年バカ』(SBクリエイティブ)、『人生の正解』(幻冬舎)など多数。
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