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ラグビーW杯、日本躍進の陰にはこの男のビジョンがあった!比類なき先見性で時代を切り拓いた稀代のラガーマンの軌跡

平尾誠二を語る
橋野薫・込山駿 著

 本書は、プレーヤーとしてもリーダーとしても圧倒的な輝きを放ち、日本社会に向けても力強いメッセージを発信しつづけた「ミスターラグビー」平尾誠二(1963~2016)の軌跡を、ゆかりの人々へのインタビューで再構築した一冊です。読売新聞オンラインに連載された「平尾誠二を語る」の内容に加えて、2019年ワールドカップ(W杯)日本代表メンバーやコーチ、ご家族のメッセージも収録し、唯一無二の個性で時代を切り拓いたラガーマンの人間像に迫ります。
 平尾と同じグラウンドに立っていたラグビー関係者のほか、親交のあった山中伸弥教授をはじめとする各界の著名人の言葉によって明らかになるのは、その比類なき先見性です。そして、その先見性は自由な精神の産物でした。一人ひとりのプレーヤーが個としての能力を上げ、自在に判断できるようにならないと世界で勝てない、と言いつづけた平尾のビジョンは、2019年のW杯において、ついに現実のものとなります。そして、その代表チームを率いたのは平尾が監督時代に日本代表に選び、その後、ヘッドコーチ(HC)就任にも関わったジェイミー・ジョセフでした。
 特に平尾が代表監督の時代に、多くの外国人選手を日本代表に招集し、主将にもはじめて外国人選手(アンドリュー・マコーミック)を指名したことには多くの批判もあったといいます。ですが、これこそが、昨年の「ONE TEAM」の源流になったのです。日本のラグビーが長く苦しい試行錯誤の時間をくぐり抜けてW杯ベスト8という快挙を達成したとき、多くのラグビー関係者やファンが改めて平尾誠二の名前を口にしたのには、このような理由があるのです。
 新型コロナウィルスの感染拡大で、日本社会はいま、かつてない危機に直面しています。山中教授は大きな問題が起こったとき、「平尾さんやったら、どうするかな」と考えると述懐しています。この本が苦しい毎日を強いられているすべての読者に、ささやかな希望をもたらすことができたら、これに優るよろこびはありません。


【目次】
1 「平尾さんやったら、どうするかな」と考えます
――京都大学iPS細胞研究所長 山中伸弥

2 進化したラグビーの創造者だった
――元京都市立伏見工高ラグビー部監督 山口良治

3 オオカミの目、自由な心
――密着撮影を30年以上続けた写真家 岡村啓嗣

4 希代のリーダー対決、美しきノーサイド
――元新日鉄釜石選手兼監督・元日本代表スタンドオフ 松尾雄治

5 「哲学するラガーマン」をめぐる追想
――元文部科学副大臣 鈴木寛

6 「洋魂和才」、日本代表に息づく平尾イズム
――サントリー酒類常務執行役員・日本ラグビー協会理事 土田雅人

7 勝負師2人の「与えれば与えられる」絆
――将棋 羽生善治九段

8 失敗プロジェクトと銀のレガシー
――平尾プロジェクト1期生・元クボタスピアーズ副将 高橋銀太郎

9 助手席のミスターラグビー
――元神戸製鋼スタンドオフ・日本ラグビー協会広報部長 藪木宏之

10 夜の神戸で衝撃の店「許されるのよ、彼だけは」
――元プロテニスプレーヤー・現解説者 沢松奈生子

11 「運命の日」の開幕戦、スタジアムに父が来ていたような気がする
――長男 平尾昂大


(担当/碇)

著者紹介

橋野 薫(はしの・かおる)
読売新聞大阪本社勤務。1965年4月、京都市生まれ。同志社大学から89年に入社。京都総局を経て96年から通算17年、運動部記者としてラグビー、プロ野球などを担当。ラグビーワールドカップは2003、07年大会を取材した。運動部デスク、松江支局長などを務め、現在は販売局勤務。ラグビーは同志社香里高1年で始め、現役時代のポジションはスクラムハーフ。

著者紹介

込山駿(こみやま・しゅん)
読売新聞東京本社勤務。1973年3月、東京都生まれ。早稲田大学から96年に入社。2003~12年は運動部記者としてサッカー、ボクシング、大相撲などを担当。なでしこジャパン女子W杯優勝、亀田3兄弟のトラブル、新弟子死亡事件などを取材した。スポーツ以外では山形など5支局や中部支社(名古屋市)を渡り歩き、2017年9月から読売新聞オンラインの記者・編集者を務める。
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