話題の本
話題の本一覧
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「なにもできない。でも、力になりたい。」
誰もがそう思った3.11から10年。
「陽」 HARU Light&Letters
――3.11 見ようとすれば、見えるものたち。
平林克己 写真 横川謙司 文

2021年02月13日、10年という時機をまるで見定めたかのように、東北で大きな地震が起きました。2011年3月11日、東日本大震災から10年。日本中が一丸となって復興に向かった被災直後。それから月日が経ったいま、その後の復興は順調に進んでいるでしょうか、それとも停滞しているでしょうか。新型コロナウイルスに見舞われ、誰もが目の前のことで精いっぱいではありますが、見過ごしてはいけないことを、見過ごしてしまってはいないでしょうか。本書は、震災以降、復興ボランティアに従事しながら平林克己氏が撮りためてきた写真と、その写真を各地で展覧した際に横川謙司氏が添えた、これからの世界を見据えるための言葉をまとめた、気づきのための道しるべとなるような写真集です。
3.11から今日まで、熊本地震や西日本豪雨、台風19号、さらにはコロナと、異常気象や災害が絶え間なく日本を襲うようになりました。この10年間の間にかけた数々の困難は、未だ出口が見えない状況にあると言えます。そういった人知を超えた巨大な脅威にたいして、人は麻痺してしまったり、無力感を覚えたりしてしまいます。しかし、それらに正しく向き合った先に、進むべき道が見えてくるものではないでしょうか。すべての写真に収まる太陽は、超越的な自然そのものであると同時に、希望の象徴のようでもあります。本書に寄稿くださった作家・玄侑宗久氏はこう述べます。「朝陽とは、あまりに非情で平等だからこそ、なけなしの弱い心にも希望を芽生えさせるのではないか」。大きすぎる数々の困難を乗り越えるきっかけを、本書から掴み取っていただければ幸いです。
(担当/吉田)
