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「大人の世界」が見えてくる、最もキケンな時代――。

中学生あらくれ日記
椎名誠 著
中学生あらくれ日記

チンピラへの復讐、空気銃研究、油プール潜水、抜刀騒動…
楽しく熱くヤバすぎた“あの頃”をつづる衝撃エッセイ!

『中学時代というのはどの世代のヒトもなんとなく
「暗い」という気配を持っているのではないだろうか。
「中学時代といったら楽しくて楽しくて」などというヒトがいたら
お目にかかりたい。
もっともお目にかかってもどう対応していいのかわからないのだけれど。』
――(本文より)

今まで巧みに避けてきた中学時代の“極秘話”の数々……を、ついに赤裸々告白!
リンチを仕掛けてきた不良グループへの復讐を期して拳を鍛えた夏。
古木材を拾い集め叔父さんと完成させた秘密のアジト。
悪友らと校庭で3輪オートバイ走行。
小遣い欲しさに道端や工事現場で「真鍮(しんちゅう)(銅)」探し……。
人生で一番“危うかった”時代のシーナが今蘇る。
中学時代の「前史」として小学生時代や就学前の懐かしき思い出も吐露。
作家45周年記念作品!

(担当/貞島)

目次

Ⅰ 房総の白い海 光る風

トラックに乗って千葉に向かった
食べられちゃった五目まぜごはん
家のまわりを生け垣に
煙突の多い風景
戦前暴走族だった父
芋飴を作る家
二つの川
浜田川の春の賑い
呼吸するように動く海
美味しい海で釣りざんまい

Ⅱ ベカ舟漂流騒動

こわい水脈(みお)
静止している工事現場
夢のトロッコ路線
人間花火
浚渫船に大コーフン
パイプラインを行く
木の上のつかみ鬼
町の三大有名フーテン人
夏の夜風に躍るスクリーン
映画とそばとデパートと

Ⅲ 汐風びゅんびゅん赤土中学校

中学入学前の幕張
イモ中の面白先生
いろいろな教師
中学への登校風景
ごったがえしの時代
おいてけぼりの不安
昼休みに見たいさかい
イサムと桃子と消えたヘビ
自転車こいで谷津遊園へ
教室の壁は穴だらけ
漁業権放棄でにわか長者

Ⅳ 蟬しぐれの中の復讐

消された臨海産業
父の死と先生
疎林への呼び出し
十五対一のタタカイ
黙って鍛錬、そして反撃開始
復讐は蟬しぐれの中
二人目成功、逃げる標的

Ⅴ ツギハギ小屋をつくる

家庭内独立作戦
角材拾いの日々
届いた引き違い窓
三畳半のガイコツ小屋
夢の「天守閣」
感動の棟上げ式
落成祝い
流しのスズメ撃ち
あこがれの自転車オートバイ
トコロテン小屋
秘密の物体

Ⅵ キケンな水中探検隊

アームの店に行く
油まじりの黒いプール
青春タンメン事件
公民館で夢のショウ
主役を食ったシャックリの大男

Ⅶ ダイコン畑の死闘

ボロ小屋のファイトクラブ
思いがけない苦情
ひそかな暗雲
刀としんばり棒

あとがき

著者紹介

椎名誠(しいな・まこと)
一九四四年、東京生まれ。東京写真大学中退。流通業界誌編集長を経て、作家、エッセイスト。『さらば国分寺書店のオババ』でデビュー。『アド・バード』(日本SF大賞)『武装島田倉庫』『銀天公社の偽月』などのSF作品、『わしらは怪しい探検隊』シリーズなどの紀行エッセイ、『犬の系譜』(吉川英治文学新人賞)『岳物語』『大きな約束』などの自伝的小説、『犬から聞いた話をしよう』『旅の窓からでっかい空をながめる』などの写真エッセイと著書多数。近刊に『思えばたくさん吞んできた』(草思社)など。映画『白い馬』では、日本映画批評家大賞最優秀監督賞ほかを受賞。
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