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33人の作家たちに学ぶ「年の取り方」

作家の老い方
草思社編集部 編

 誰しも青年期を過ぎ、中年期を迎える頃には、身心の不調や衰えを感じたり、家族のケアが必要になったりと、「老い」に向き合わざるを得ません。
 今日では老いは若さを失うという面でネガティブに捉えられがちですが、古来「老いる」とはめでたいことでありました。

  めでたき人のかずにも入(いら)む老のくれ  芭蕉

 本書では、「老い」を描いたエッセイ、小説、詩歌三十三篇を選りすぐって収録しました。年を取ることの寂しさ、哀しさ、愉しさ、歓びが、書き手それぞれの独自の筆致で表現されています。
 これまでの人生を振り返りながら、老いゆく自分を認め、いずれ必ずやってくる「死」に対峙する――。「老い」を描くということは、「いかに生きるか」を描くことと同義であると感じさせられます。

(担当/渡邉)

【収録作家】(掲載順)

芭蕉、あさのあつこ、角田光代、向田邦子、井上靖、河野多惠子、山田太一、古井由吉、佐伯一麦、島田雅彦、谷崎潤一郎、筒井康隆、金子光晴、萩原朔太郎、堀口大學、杉本秀太郎、富士川英郎、吉田健一、松浦寿輝、谷川俊太郎、室生犀星、木山捷平、吉行淳之介、遠藤周作、吉田秀和、河野裕子、森澄雄、中村稔、穂村弘、倉本聰、鷲田清一、中井久夫、太田水穂

【目次】

芭蕉「めでたき人のかずにも入む老のくれ」
あさのあつこ「いい人生?」
角田光代「加齢とイケメン」
向田邦子「若々しい女について」
井上靖「少年老いやすし――教科書の中の時限爆弾――」
河野多惠子「せっかく逝くのだから少し珍しい最期を」
山田太一「老いの寒さは唇に乗するな」
古井由吉「人も年寄れ」
佐伯一麦「年も老いもっと愚かに」
島田雅彦「老人とジム」
谷崎潤一郎「老いのくりこと 抄」
筒井康隆「いくつになっても色気を」
金子光晴「若さとは」
萩原朔太郎「老年と人生」
堀口大學「酒」
杉本秀太郎「和楽のつどい」
富士川英郎「夕陽無限好」
吉田健一「早く年取ることが出来ればと……」
松浦寿輝「孤蓬浮雲」
谷川俊太郎「明日が」
室生犀星「老いたるえびのうた」
木山捷平「辛抱」
吉行淳之介「葛飾」
遠藤周作「老いて、思うこと」
吉田秀和「不条理と秩序」
河野裕子「存命のよろこび」
森澄雄「虚空の遊び――「私の履歴書」」
中村稔「老いについて」
穂村弘「人生後半の壁」
倉本聰「まどろむ」
鷲田清一「「忘れ」の不思議」
中井久夫「老年期認知症への対応と生活支援」
太田水穂「病床夢幻(二) 抄」
著者略歴・出典

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