草思社

話題の本

このエントリーをはてなブックマークに追加

ネコの言語コミュニケーションについて、最新科学で明らかに!

ネコの言葉を科学する
サラ・ブラウン 著 清水由貴子 訳
ネコの言葉を科学する

ネコ好きなら誰もが一度は、「うちの子が何を考えているのか知りたい」と思ったことがあるでしょう。本書は、そんな願いを叶えてくれる一冊です。ネコは鳴き声のほか、すりすりやしっぽの動作、アイコンタクト、毛づくろいなど、多彩な「ことば」でのコミュニケーションを発達させてきました。本書では、人間とネコがパートナーとなってきた進化の過程をふまえつつ、ネコの豊かなことばの世界を科学的に解き明かします。

本書には、最新の知見を踏まえた、驚くべき事実が書かれています。たとえば、ネコは人間の会話を聞き分ける能力を持っており、「人と人が話しているのか」「自分に話しかけられているのか」を理解していることが分かってきています。また、「ネコが目をじっと見るのはケンカのサイン」とよく言われますが、実際にはそうとは限りません。たとえば、餌が出てこないなど自分では解決できない問題に直面したとき、ネコは人間の目を見つめて「助けてほしい」という意志を伝えている可能性があるのです。つまり、ネコの視線には敵意だけでなく、期待の意味も込められているのです。
さらに、ネコと人間の関係性に目を向けると、ネコの性格は「神経症傾向」「衝動性」「支配傾向」「外向性」「協調性」という5つの要素に分類できるとされています。そして多くの場合、人は自分と似た性格のネコを選んだり、自身を投影している可能性が高いことも示唆されています。このような最新の知見を踏まえていくと、ネコの「ことば」の解像度があがって見えてくること間違いなしです。ネコの最高の相棒になるための、ネコ愛好家必読の一冊です。

(担当/吉田)

著者紹介

サラ・ブラウン(Sarah Brown)
イギリス・サウサンプトン大学の人類動物学研究所で働きながら、避妊手術を受けたイエネコの社会的行動に関する研究で博士号を取得。以来、フリーの猫行動カウンセラー、猫用玩具業界のコンサルタントとして活躍する一方で、イギリスの動物愛護団体に協力し、調査も行う。著書『The Cat: A Natural and Cultural History』(『ネコの博物図鑑』、原書房)は三カ国語に翻訳されているほか、共著書に『The Behaviour of the Domestic Cat』(第二版)、寄稿書に『The Domestic Cat: The Biology of Its Behaviour』(第三版)がある。家族、愛犬のレジー、愛猫のブーツィとスマッジとともにロンドンで暮らしている。

訳者紹介

清水由貴子(しみず・ゆきこ)
翻訳者。上智大学外国語学部卒。おもな訳書に『執行長日記 THE DIARY OF A CEO』(サンマーク出版)、『あらゆる問題を解決できるシャーロック・ホームズの思考法』『How to Be Perfect 完璧な人間になる方法?』(ともにかんき出版)、『初めて書籍を作った男 アルド・マヌーツィオの生涯』(柏書房)、『トリュフの真相 世界で最も高価なキノコ物語』(パンローリング)、『ニール・ヤング 回想』(河出書房新社)などがある。
この本を購入する