草思社

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多奏的な「かたち」のつながりを読み解く、新たな韓国文化論

韓国「かたち」紀行
――東アジア・建築・人びと
石山修武・中谷礼仁 著 中里和人 写真
韓国「かたち」紀行

韓国には、日本と深く結びついた建築物、風景が多く存在しており、それらを比較することで、アジアを見渡す新たな発見が得られます。 本書は、2023年8月に行われた石山修武、中谷礼仁、中里和人、野田尚稔、川井操、米田雅樹らによる韓国旅行をきっかけに生まれた、圧倒的な密度の「文化的ガイドブック」と言えます。海印寺、河回村、浮石寺をへて、扶餘の浄林寺、弥勒寺などの古代遺跡を巡った一週間弱の旅で得た発見をもとに制作されました。韓国の建築、色彩論、大地と屋根の関係、地形と風水といった実に多彩なエッセイを中心に、写真、スケッチのほか、韓国古建築の見方がわかる入門と、韓国古建築の20選も収録しています。ガイドとしてはもちろん、韓国文化の入門としても必携の1冊となっています。

(担当/吉田)

目次

旅程図/米田正樹
初めての海外が韓国だったのは幸運だった/ 石山修武
原ハフェマウル 朝鮮の村落と風水への理解/ 中谷礼仁
コラム:韓国古建築20選/ 前川歩
浮石寺小考/ 石山修武
山上の版木倉庫の聖性・冥府殿の色彩/ 石山修武
コラム:旅への眼差しとスケッチ/ 野田尚稔
韓国古層の共同体の基底 シャーマニズム小考/ 石山修武
コラム:近江の流域圏からの渡来の系譜/ 川井操
マサ土の角度 扶餘・弥勒寺と飛鳥・大官大寺/ 中谷礼仁
韓国からアジア西方へ ナーランダ・バビロニア/ 石山修武
コラム:韓国古建築入門/ 前川歩

著者紹介

石山修武(いしやま・おさむ)
1944年生まれ。建築家。早稲田大学理工学部名誉教授。1985年「伊豆の長八美術館」で第10回吉田五十八賞、1995年 「リアス・アーク美術館」で日本建築学会賞、1996年「ヴェネチア・ビエンナーレ建築展」で金獅子賞ほか受賞。 主な作品に「幻庵」、「世田谷村」、「ひろしまハウス」など。主な著書に『笑う住宅』(筑摩書房)、『生きのびるための建築』(NTT出版)、『原視紀行』(コトニ社)などがある。
中谷礼仁(なかたに・のりひと)
1965年生まれ。 建築史。 早稲田大学創造理工学部建築学科教授。主な著書に『未来のコミューン』 (インスクリプト、2019年、日本建築学会著作賞) 『動く大地、住まいのかたち』(岩波書店、 2017年、日本建築学会著作賞)、『今和次郎「日本の民家」 再訪』 (平凡社、2012年、日本生活学会今和次郎賞ほか)、『セヴェラルネス+一事物連鎖と都市・建築・人間』(鹿島出版会、2011年)、 主な設計に「高床の家」 (福島加津也と共同、2022年)などがある。

写真家紹介

中里和人(なかざと・かつひと)
1956年生まれ。写真家。東京造形大学名誉教授。日本各地の地誌的ドキュメントを中心に、身体的スケールから見え出す社会的景観を発表。主な写真集に『小屋の肖像』、『キリコの街』、『路地』、『東京』、『Night in Earth』。共著に『こやたちのひとりごと』(文・谷川俊太郎)、『SELF BUILD』(文・石山修武)などがある。
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