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12の分岐点に整理すると、日本国の形がよくわかる。

齋藤孝さんは『声に出して読みたい日本語』(草思社刊)以来、日本語の問題に関心を抱いてきました。日本語の美しさや、習得することの教育的意味などです。しかし本書では「日本語」を超えて「日本」というものに関心を広げています。おそらく作今の日本国の危うさを感知したからでしょう。本書では歴史の12の分岐点を上げて、日本がこれまで歩んできた道を振り返ります。その分岐点で、どの道を選んだことが今日の日本を形成したか。日本を今の日本にあらしめた重要なポイントを指摘しています。12の分岐点とは以下のようなものです。
1.藤原不比等の天皇をめぐる知恵。権威と権力の分離。
2.征夷大将軍という侍の発祥。木曽義仲や鎌倉幕府の話。
3.江戸という立地を選んだこと。江戸・東京というメガロポリスの誕生。
4.渋沢栄一の「論語と算盤」の統一。資本主義の倫理の問題。
5.秀吉の「伴天連追放令」。西欧による植民地化を防いだこと。
6.韓国との不和の一因に最初の「日朝修好条規」の不平等がある。
7.日英同盟破棄から戦争への道が始まる。
8.日米安保条約の功罪の罪の面。
9.仏教も儒教も日本化されて独自のものに。
10.漢字を仮名交じりにして日本語にカスタマイズドした卓見。
11.儒教と寺子屋が培った日本人の教育。
12.夜這い文化の喪失が少子化を生んだ?
齋藤先生は歴史の専門学者ではないのですが、多くの文献を読みこんで独自の歴史観を作ってきました。どれも面白い指摘で、歴史好きが読んでも十分に読みごたえがあります。たとえば6の韓国との現在の不仲の遠因は明治の「日韓修好条規」の不平等条約に始まる、などというのはあまり誰も言わない面白い指摘です。いろいろな今日の問題、移民問題や安全保障、少子化対策などを考えるときに、こうした歴史的視点は役に立つはずです。今日、再び歴史の分岐点である。そう思って「分岐点思考」をすることが肝要であるというのが本書の主張でもあります。
(担当/木谷)
