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戦国時代の実相を国内外の「経済」から読みとく!

グローバル経済の中の戦国時代
鉄砲・火薬・金銀・奴隷――
渡邊大門 著
グローバル経済の中の戦国時代

「人・モノ・カネ」の流れから見えてくる戦国

日本の戦国時代といえば、
戦国大名たちの合戦エピソードや権力論によって語られがちですが、
当時の国内外の「経済」に着目すると、
まったく違った戦国像が見えてきます。

大名たちの軍事力の源泉となった
兵糧(米)や、鉱山開発による金・銀などの管理・流通には、
常に商人・豪商たちが介在していました。
一方、西洋の宣教師たちの来日を機に南蛮貿易が隆盛し、
銀などの輸出の見返りに鉄砲や弾丸の原料なども輸入しましたが、
そこで重要な役割を担ったのも商人たちでした。
また、当時は国内外で人身売買も行われていたと言われています。

本書は、こうした戦国時代の背景にあった国内外の経済のありようを
日本中世史・戦国史が専門の気鋭の研究者が
良質な史料を用いながらわかりやすく説いた労作で、
類書はほとんどありません。
信長は日本経済と世界経済をどう見ていたか?
各地の戦国大名の背後にいた豪商たちの活動とは?
秀吉は文禄・慶長の役に際しどう兵糧を確保し将兵たちの士気を維持しようとしたか?
家康はキリスト教の受容と貿易のうま味をどう天秤にかけたか?──等々、
歴史ファンのみならず、
経済に関心のある方にも興味深い事実が多数書かれています。
グローバル化が叫ばれて久しい今、
ぜひとも多くの方にお読みいただきたい一冊です。

(担当/貞島)

目次

はじめに

第一章 戦国大名と御用商人
平安時代の商人
鎌倉時代から室町時代の商人
戦国時代の「定期市」──毛利氏、長宗我部氏、北条氏の場合
上方における市の発展
伊達氏の御用商人、簗田(やなだ)氏
北条氏の御用商人、宇野氏(外郎氏)
今川氏の御用商人、友野氏・松木氏
織田氏の御用商人、伊藤氏
宇喜多氏の御用商人、来住法悦
宇喜多氏の「質物」規定と酒造り
摂津尼崎の市と木材ビジネス
上方での、清酒・食品加工・製紙・繊維業の発達
姫路での鋳物業の発達
姫路での塩業の発達と信長政権

第二章 鉄砲・金銀・兵糧――商人が動かした戦国
鉄砲伝来と商人
鉄砲の構造・威力と鉄砲製作地
「国友鉄砲」のエピソードに関する疑義
鉄砲のさまざまな原材料の輸入先
戦国大名たちの鉄砲観
山陰地方の良質な鉱山と鉄加工の技術
世界史としての石見銀山
戦国大名たちの石見銀山争奪史
因幡銀山と伯耆の日野銀山
但馬の生野銀山・中瀬金山
摂津の多田銀銅山
兵糧から見た中世・戦国史
戦国大名たちの兵糧買い付けと支給
徹底された兵糧の備蓄・管理
兵糧はどのように運搬されたのか
戦国合戦における「乱取り」
武田軍による戦地での領民連れ去り
川中島の戦いにおける乱取り
制御不能だった将兵たちの乱取り

第三章 堺・博多の豪商と、信長・光秀・秀吉
貿易で栄えた大商都・堺
堺の豪商・今井宗久と信長
堺の豪商・津田宗及、千利休
国際都市・博多の発達と、豪商・宗金
博多の豪商・神屋宗湛、島井宗室
信長の経済政策と都市支配
信長以前からあった楽市楽座
安土城築城と天守の謎
信長の楽市楽座令と安土城下の整備
光秀による丹波の宮田市場支配
秀吉による播磨の淡河市場支配
秀吉による播磨のさまざまな市場支配

第四章 南蛮貿易とキリスト教
大航海時代と南蛮貿易
キリシタン大名・大友宗麟の南蛮貿易
フロイス『日本史』に見る、信長によるキリスト教保護
信長に近侍した黒人奴隷・弥助
信長はキリスト教を本当はどう見ていたか
ポルトガルの奴隷商人たちの放逸 
秀吉が激怒したポルトガル人による日本人売買
日本人売買をめぐるイエズス会の弁明
ポルトガル人奴隷商たちの言い分
天正遣欧少年使節たちの日本人奴隷観
秀吉がイエズス会に挑んだ奴隷論争
伴天連追放令と施薬院全宗のキリスト教批判
日本人売買の禁止は本当に実現したのか

第五章 文禄・慶長の役と商人
秀吉の「唐入り」に備えた財政政策
大名領国経済の疲弊──宇喜多氏の場合
宇喜多領国での百姓逐電と荒田対策
加藤清正の財政逼迫
朝鮮出兵における兵糧・船・人員不足問題
島津氏の深刻な財政難と梅北一揆
慶長の役における島津氏の苦境
諸大名が朝鮮人を日本に連行した理由
朝鮮被虜人たちがたどった道
アフリカ人奴隷と朝鮮被虜人の値段
『朝鮮日々記』に見る慶長の役
日本人武将たちの朝鮮での乱取りと生け捕り

第六章 家康の経済外交と大坂の陣
和親的外交に舵を切った家康
家康の対明政策と、堺の商人による明船襲撃
明との貿易再開の模索と密貿易
朝鮮との国交回復と琉球支配
家康のスペイン・オランダへの接近
ポルトガルとの断交とキリスト教排撃
戦国を変えた大砲
大坂の陣におけるイギリス商人の暗躍
大坂城落城後の乱取り

著者紹介

渡邊大門(わたなべ・だいもん)
1967年、神奈川県生まれ。歴史学者。関西学院大学文学部史学科日本史学専攻卒業。佛教大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。現在、株式会社歴史と文化の研究所代表取締役。著書に『関ヶ原合戦全史 1582-1615』『大坂の陣全史 1598-1616』(以上、草思社)、『家康伝説の謎』(共著)『光秀と信長 本能寺の変に黒幕はいたのか』『奪われた「三種の神器」 皇位継承の中世史』(以上、草思社文庫)、『誤解だらけの徳川家康』(幻冬舎新書)、『豊臣五奉行と家康 関ヶ原合戦をめぐる権力闘争』『戦国大名は経歴詐称する』(以上、柏書房)など。
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