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なぜ美術館が狙われるのか。ミステリー小説よりも面白いノンフィクション

2025年10月19日にフランス王室ゆかりの宝飾品8点がパリのルーヴル美術館から盗まれた事件はまだ記憶に新しいことでしょう。世界的に名高いあのルーヴルから美術品が盗まれてしまうとは!警備の不備が指摘されるこの事件ですが、フランスではルーヴル以外にも美術館を舞台とした盗難事件が相次いでいます。
なぜ美術館が狙われるのか――。今回の事件についてフランスのニュース番組でコメントを求められた一人が、本書の著者フィリップ・デュラン氏です。本書では次のように記しています。「傑作と言われている絵画を盗むことは時として『簡単』だが、これを売りさばくことはかなり難しい。二〇一六年にロバート・ウィットマンも、NBCニュースのインタビューに答えて『美術品窃盗犯の芸術的腕前が発揮されるのは、窃盗そのものではなく、売りさばきにおいてだ』と述べている」
本書は、やはりこのルーヴル美術館から1911年に『モナ・リザ』が盗まれた事件を筆頭に、20世紀以降にヨーロッパ、アメリカ、ブラジル、エジプトの美術館で起きた10件の名画盗難事件の顚末を描いたノンフィクションです。『モナ・リザ』をはじめ、ムンク『叫び』、ターナー、ルノワール、レンブラント、モネ、マティス、ピカソ、ゴッホ、ピサネッロらの作品が盗まれ、そのうちのいくつかの消息は未だ不明のままです。
文化財をいかに管理するかを考察するヒントになるのはもちろん、事件の背景を克明に描写した筆致は、ミステリー小説よりも面白い読み物として読んでいただける一冊です。是非ご一読ください。
(担当/渡邉)
内容紹介
レオナルド『モナ・リザ』、ムンク『叫び』、
ターナー、ルノワール、レンブラント、モネ、マティス、
ピカソ、ゴッホ、ピサネッロ、ティントレット……
1911年パリのルーヴル美術館から『モナ・リザ』が盗まれた事件を筆頭に、
20世紀以降にヨーロッパ、アメリカ、ブラジル、エジプトの美術館で起きた
名画盗難事件を描いた胸躍るノンフィクション。
傑作と言われている絵画を盗むことは時として「簡単」だが、これを売りさばくことはかなり難しい。二〇一六年にロバート・ウィットマンも、NBCニュースのインタビューに答えて「美術品窃盗犯の芸術的腕前が発揮されるのは、窃盗そのものではなく、売りさばきにおいてだ」と述べている。 美術史専門家のノア・チャーニーも異口同音だ。「美術館からの窃盗や強奪を含め、美術品を盗むことはさほど難しくないが、盗んだ美術品を金銭に変えることはほぼ不可能だ。犯人らはこれを分かっていない。彼らの犯罪に関する知識はフィクションや映画にもとづいているからだ!」(本文より)
目次
序章 名画盗難の歴史
モナ・リザの奇妙な旅――パリ、一九一一年
ワーテルローの英雄――ロンドン、一九六一年
「ストーリーテラー」――セントルイスパーク、一九七八年
秘密警察が事件に絡むとき――ゴータ、一九七九年
危険な遊び――オスロ、一九九四年
ゲーテの影で――フランクフルト、一九九四年
忘れがたいクリスマス――ストックホルム、二〇〇〇年
サンバのリズムにのせて――リオデジャネイロ、二〇〇六年
スフィンクスの最後のなぞなぞ――ギーザ、二〇一〇年
小ローマの強奪事件――ヴェローナ、二〇一五年
国際捜査
付録 文化財闇取引対策中央局(OCBC)について
参考文献一覧
